「なぜ人と組織は変われないのか」を読むと人は変われるのか?
今回は、ロバート・キーガン、リサ・ラスコウ・レイヒー共著の「なぜ人と組織は変われないのか」(Immunity to change)を読んでの雑感です。
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この本は2013年初版で、今更ながらではありますが、上司に薦められて購入しました。僕は物事を悪くとらえる癖があるので、そこを変えられたら良いなぁといった程度の軽い気持ちでこの本を手に取りました。
なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践
- 作者: ロバート・キーガン,リサ・ラスコウ・レイヒー,池村千秋
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2013/10/24
- メディア: 単行本
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最初に結論めいたことを言うと、この本の論旨は次の2点です。
認知の歪み(この本では「強固な固定観念」と呼ばれる)が変わろうとする行動を阻害する。
こんな風に要約すると、認知療法を知ってる人には目新しく感じないでしょう。実はこの本の肝は如何に自己変革を持続させるか、また如何に組織にこのスキームを適用するかにあると思うのです。
自己変革の持続
この本では「免疫マップ」を作ることで、強固な固定観念を明らかにしていく手法が紹介されています。免疫マップを作る最初のステップは、自分がどう変わりたいかの定義です。すなわち、なりたい自分になることを阻害する行動を起こす認知の歪みに的を絞っている訳です。ですので、なりたい自分の定義が自分や周囲の人にとって切実であるほど、強固な固定観念を修正することのモチベーションが高まるということです。
組織の変革
基本的に、組織の変革においても、その組織の免疫マップを作り、強固な固定観念を検証・修正する手法を取ります。このときの注意点は、変革を阻む行動として特定の誰かの行動を定義してはダメということです。そのような議論は犯人探し、非難合戦になるからです。
さて、僕も自分の免疫マップを作ってみたのですが完成には至ってません。自分の強固な固定観念があまりにも常識としか思えず、またそれを否定する行動は破滅以外の結果をもたらさないとしか思えないのです。本書にあるように、問題を取り組みやすい大きさにばらす必要がありそうです。
[蛇足]
この手の啓蒙書を読むときに、「この本は俺の言いたいことをよくまとめている」何て思いながら読んでませんか?或いは、「あの部下に読ませれば良いな(俺はできてるけど)」と思いながら読んでませんか?
例えあなたの経験に裏打ちされた知恵と符合するところがあっても、著者の経験はあなたと違います。せっかく買った本なのだから、あなた自信が学ばないともったいないですよ。