ホリエモンに学ぶ「目的と手段の捻転」

新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大を受け2020年4月7日に非常事態宣言が発令が発令されました。今日(2020年4月11日)現在、不安を抱えて過ごしている方も多いかと思います。

 そんな中、実業家の堀江氏はツイッターで新型コロナウィルス対策の一環として行われている外出自粛について持論を展開し、異なる意見を持つ人との舌戦を繰り広げていました。どうやら、このツイートが引き金のようですね。

 

 

 

 なぜ急にゴルフの話?と思ったらどうやら4月24日に堀江氏主催のゴルフコンペが予定されてるようです。

 

twitter.com

 

 基本的に僕は少なくともSNS上では口が悪い堀江氏が苦手なのですが、この騒動はちょっと考えるところがありました。いままでの外出自粛や今回の緊急事態宣言は何を目的にしているのでしょうか?

 

 天然痘という病気がありましたね。1980年にWHOが世界根絶宣言をしました。でも、こういったウィルスというのは希で、例えばインフルエンザなんて毎年流行しますよね。つまり、行政は少なくとも新型コロナウィルスの根絶を目指しているわけではないと言うことでしょう。では、なにを目指しているのか。それはメディアなどでも報じられているわけですが「医療崩壊」を防ぐことを目指しているわけです。言い換えると、「日本の医療体制が平時に提供できる医療レベルの維持」が目的ということになります。ここら辺についてはテレビでも紹介されていた茅野市のホームページにある「新型コロナウィルスの感染をのりこえるための説明書・続(2)」の⑫以降に詳しく解説されています。

 

https://www.city.chino.lg.jp/uploaded/attachment/12621.pdf

 

 で、「日本の医療体制が平時に提供できる医療レベルの維持」という目的を満足するための施策の1つとしてあげられているのが「最低7割、極力8割程度の接触機会の低減」と言うことになります。

 

厚生労働省「新型コロナウィルス関せ印象対策の基本的対処方針」(2020年4月7日改定)

※p.10 「(3)まん延防止」参照

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000620039.pdf

 

 飛沫感染による感染拡大を防ぐためには、確かにこういった方針が出るのは納得ですね。「じゃあ、人と『接触』しなければ外出してもいいじゃん」と言いたくなりますが、そうもならないんですよねぇ。というもの、接触感染による感染拡大も考慮しないといけないから。接触感染については先ほど紹介した茅野市のホームページの「新型コロナウィルスの感染をのりこえるための説明書・続(1)」の⑥以降に詳しく解説されています。

 

https://www.city.chino.lg.jp/uploaded/attachment/12620.pdf

 

 というわけで、人と接触しない場合でもみんなが触る可能性があるものを触ったら、顔を触らないとか、手を洗ってから食事をするということを徹底しないと自分が感染するリスクがありますし、逆にみんなが触る可能性のあるものを自分が触るなら、絶対手に自分のウィルスが付かないように行動する(咳エチケット)とか、触った後に触ったものを消毒するという配慮をしないと、他人を感染させてしまう可能性があるわけです。うわぁ大変! なので、感染拡大防止の究極の手段はやはり「外出しない」ということになるんだろうね。

 

 で、堀江氏の話に戻るわけです。想像なんですけどね、堀江氏は「『日本の医療体制が平時に提供できる医療レベルの維持』という目的を達成するためにどうすべきかを考えて行動できるのであれば、ゴルフをやること自体は何ら問題ない」と考えているんじゃないかな。なんかね、僕は世の中が「外出しない」という手段を目的化してるみたいに感じちゃうんですよ。まぁ、確かに目的を達するためには一番楽で確実な手段だからそうなっちゃうのも頷けるんですけどね。

 でも、気をつけなくちゃいけないのが、「生活を営むための外出はよい」と言われているところでして。必要な外出だって、これまで書いてきた「飛沫感染による感染拡大防止」「接触感染による感染拡大防止」への配慮が必要になるわけです。ウィルスにとっては、オフィスだってゴルフ場だって変わりはしないし、ショッピングカートだってゴルフカートだって変わりはしないんですから。なので、今回の感染拡大防止以外にも言えると思うんだけど、いくら強力な「手段」があるからって、思考が止まってしまったら本末転倒になりかねないんじゃないかな。

 

 というわけで、堀江氏のツイートから「目的と手段の捻転」について考えてみました。