新型コロナ:新規陽性判明者数と駅の利用状況の微妙な関係(東京都)

 

 今回は、東京都における新型コロナ感染者数の増減と、国土交通省が発表している「駅の利用状況」の関係について、僕の仮説を紹介します。

 

 新型コロナは2020年8月26日現在、まだ収束の兆しが見えていません。さて、今現在続いている“第二波”ですが、当初は「夜の街ガー」などと言われたり、演劇クラスターがセンセーショナルに報じられたりと、何か「特定の職種に責任をかぶせて安心したい心理」が働いているのではないか?と心配していたのですが、結局のところ家庭内や職場での感染が見られる状態になっております。

 

 さて、僕は7月の中頃から、国土交通省が公表している「駅の利用状況」に注目していました。

 www.mlit.go.jp

 

 というのも、感染症はマクロに見ると人との接触機会が増加するほど感染拡大の可能性は大きくなるわけでして、とすればこと東京都に関して言えば、やはり通勤に伴う接触機会の増加(或いはリモートワークなどによる接触機会の減少)は、新規陽性判明者数の増減と相関があるのではと予想したわけです。では、先ず駅の利用状況を見てみましょう。

 

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https://www.mlit.go.jp/tetudo/tetudo_fr1_000062.htmlより引用

 

 今回は、東京都の動向に着目しているので、首都圏について見てみましょう。7都府県に対する緊急事態宣言(4月7日)の数日前から利用率が急激に低下し、ゴールデンウィークにそれが底を打ちます。緩やかな上昇に転じた利用率は、5月末から6月初めにかけて急上昇し、60%を超えます。そこから、さらに利用率は上昇していき、70%を超えてからしばらく横ばいになり、7月25日前後に減少に転じます。ここで僕が着目したポイントは次の通り。

 

4月5日あたり                   :駅の利用率が対呼びかけ前で70%を下回る

5月末~6月初めにかけて    :駅の利用率が対呼びかけ前で60%を超える

7月25日あたり                 :駅の利用率が対呼びかけ前で70%を下回る

 

 次に、上記の3点を念頭に置きながら、年代別新規陽性判明者割合の推移(男性:7日移動平均:90代を除く)を見てみましょう。

 

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 このグラフによれば、「第一波」のピークは概ね4月15日あたりで、「第二波」のピークはこのまま減少傾向が続くと仮定すれば8月5日あたりです。これは、前述の「対呼びかけ前の主要駅利用率」が70%を切った、4月5日、7月25日から、それぞれ10日くらいです。また、「第二波」の増加傾向が明らかになってきたのは6月15日あたりだと考えられますが、これも「対呼びかけ前の主要駅利用率」が急増した月またぎから10日強と言ってよいでしょう。

 

 というわけで、今回のメッセージ。

 

やっぱり、できるならリモートワークを続けることが感染拡大防止には効果的なのでは?

 

 ちなみに、今の減少傾向を支える要因の1つはお盆休みかもしれないね。